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特別な2016年

今年は何時にも増してサラサラと時間が流れていき、本当にあっと言う間の一年だった。

一月に母を亡くした私は人生最大の悲しみの中にいた。

少しずつ息が遠退いていく母の手を握り、もう一度もう一回息を返して…と願いながら「ママ…ありがとう」としか声がかけられなかった。
最後に大きく吸った息はそのまま返ってこなかった。外には雪が降り始めていた寒い日の夕暮れだった。

嗚呼、一人になってしまった。。。

病室で夫が来るのを待つ時間にそんな事を思っていた。

孤独を愛せる人になろう、と思っていたけれど
放り出されたように一人になってみて初めて気が付いた言いようのない淋しさ。
これが孤独というものなら耐えられそうにない。

…そんな想いで2、3日を過ごしていたら、なんと人生最大の喜びが私の身に起こった。
それも突然に。
深い悲しみの中にいた私にそれはミラクルのような出来事だった。
もっと言えば、幼い頃からずっと闇だった部分に夜明けが訪れて太陽が一気に昇ったかのような喜びだった。

夢じゃないかと何度も何度も自分に問いかけて、頬を抓ってみた。ジャンプしてみた。大きな声で叫んでみたりもした。
全て現実の中に実感できる痛みだった。

その大きな喜びは悲しみを癒し、慈しみを深め、愛を覚えるものだった。
全身の血がザワザワと勢い良く流れ始める音がした。

生きてて良かった、と心底思えて涙した。

そしてそれは母からの渾身の贈り物のような気がしてならなかった。
最後の最後に母は必死に人を動かし、たくさんの人を介して私に愛を届けてくれたのか。
もう二度と起こらないだろう奇跡を与えてくれた。

一月から、ずっと。私は幸せの中にある。

春が過ぎ、夏が過ぎ、秋が来てまた冬が来てもなお…変わらぬ喜びで満たされいる。
母が亡くなって悲しいはずなのに、ずっと穏やかで温かいぬくもりを感じて過ごしている。
誰かと深く心が通い合う温もりは果てしなく人を幸せにするものだと知った。

しかもこの喜びは決して私一人のものでない。
関わってくださった全ての方も、
きっと同じ喜びを感じていると思いたい。

人と人。
ずっとつながっていた大切な絆。
運もタイミングも。全てが一日に集約されていた。
奇跡の一日を経験して今日の私がある。

私の力なんてカケラも存在しない。
私のために心を尽くしてくれた人たちがいた…
私の知らないところで…
誰かと誰かが誰かのために心を尽くす。
手繰り寄せられた一日一日があるから奇跡の一日に繋がった。


ほんの少しだけ人生を振り返った時、辛かったあの頃を思い出してみるけれど
この大きな喜びを持ってすれば
そんな苦しみでさえ忘れてしまえる。


新しい季節に向かういま、ふと思う。
誰にこの喜びを伝えよう。
誰にこのご恩をお返ししよう。


いつか誰かにこのご恩を送ることができるよう
喜びを届ける人になれるよう
正直に生きていけるよう
恥ずかしくないように生きたい。


暮れていく2016年に感謝をこめて。

出逢った全ての方に感謝をこめて。

音楽とともにあることに感謝をこめて。

そしてもうすぐ始まる2017年を感謝とともに。

明日から出逢う人々と自分の人生に心をこめて。


暮れては始まる年月が波のように押し寄せてきても、
母から教わった大きな愛を忘れないでおきたい。



image.jpeg






あなたに届きますように




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コメント 2

おじょー

take care
by おじょー (2017-01-17 09:29) 

makino_yumi

おじょー♡
Thank you so much indeed.
by makino_yumi (2017-01-19 20:08) 

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